知って!見て!実践!するセミナー&ワークショップ
「IoT導入&カイゼンワークショップと工場見学」
(i Smart Technologies株式会社)を開催しました。
自動車部品メーカーの旭鉄工株式会社は、自社工場のカイゼンのためにIoTモニタリングシステムを構築し、生産状況・サイクルタイム・停止時間・稼働率等のデータ収集を自動化し、大きな成果を上げています。
そのノウハウを「知って、見て、実践」するセミナー&ワークショップを2回にわたり開催しました。
本日は2回目のワークショップ&工場見学です。愛知県碧南市にある旭鉄工株式会社の本社工場、及び本社敷地内にあるi Smart Technologies株式会社にお邪魔しました。
当日のスケジュールは、【1】講義、【2】生産ラインのミニチュアモデルを使ったIoT導入&カイゼンワークショップ、【3】実際にIoT機器を活用している工場現場の見学、【4】質疑応答です。
【1】講義「50円のセンサーで5億円のカイゼン!」
講師:
i Smart Technologies株式会社
セールスエンジニア 岡田元輝 氏
〇カイゼンのためのIoTシステム開発の経緯
・目的は「生産性の向上」「カイゼンのスピードアップ」
・基本測定項目は3つ
1.生産個数
2.停止時間:長いものからつぶす
3.サイクルタイム:ばらつきをなくす → 即時ヒストグラム化し、現状把握
・地道にデータを見て対策する。データは会議室でなく、現場で見る。3日前のデータはいらない。
〇カイゼンがすすんだ理由
1.明確な目的:残業ゼロ、スピードアップ → 会社の風土を変える
2.最低限のデータ収集:3つだけ
3.運用に力を入れた:人には付加価値の高い仕事を!
【2】ワークショップ
1チーム2-3人の6チームで、生産ラインのミニチュアモデルを使用して、IoT導入&カイゼンを体験
〇ステップ1:光センサー・磁気センサーの取り付け、送信機接続
〇ステップ2:データの見え方・見方(画面表示)を体験
①設備名 ②送信機の電池残量 ③設備状態
〇ステップ3:カイゼンパーツ(3点)を使って、ラインのカイゼン
【3】工場見学
実際に、それぞれの現場に適当なIoT機器が活用されている様子を見学させていただきました。
1.光センサー:扉の開閉に活用、人が通るだけで作動。
2.アマゾンエコー:今まではタブレットを使用していたので、手袋をはずして操作していた。アマゾンエコーの活用により、手をとめることなく、作業がスムーズに。ただし、騒音があるところでは使用不可、聞き取れない声もある。
3.磁気センサー:取付位置は、固定側に両面テープで調整。
4.あんどん:安価に入手可能な市販のテレビに表示。レイアウトの変更も簡単。一人で複数台の機械を担当しているが、一覧表示されているモニターを見れば、停止したときに他の人でもすぐ対応できる。
5.アマゾンダッシュボタン:複数のラインの状況を1つのダッシュボタンで送信する仕組みを実現。
6.カイゼン事例の紹介:
各作業場にホワイトボードを設置。社長のコメントや、他工場の改善事例が紹介されている。
【4】質疑・応答
Q1. 光センサーの取付場所の光が強すぎたり、弱すぎたりしませんか?
A1. 強すぎるところはガムテープで覆うなどで対応します。弱いところは、光センサーでなく磁気センサーを使います。
Q2. アマゾンエコーのスキル(アプリ)は市販されていますか?
A2. 旭鉄工とアマゾンのコラボで試作・試用しているため、市販はしていません。
Q3. データの保存期間はどれくらいですか?
A3. 1年だったが半年に変更しました。データはすぐ使わないと意味がないと考えています。
Q4. 送信機はどのくらいの間隔で設置するのか? また電池の交換期間は?
A4. 基本1ライン1送信機です。電池の持ちは1-2か月です。電池の残量はモニターに表示されます。
Q5. Wi-Fiの範囲はどのくらいですか?
A5. 現場の状況によりますが30mくらいです。
Q6. クラウドを使うことで、セキュリティ上の問題はありませんか?
A6. データは数字の羅列なので、それだけを見ても意味をなさないため、セキュリティ上の問題はないと考えます。それでも不安な顧客はクラウドを利用しない方法もあります。
Q7. ブラウザは何を使っていますか?
A7. Chromeかsafariを推奨しています。IEは表示が崩れることがあるので薦めていません。
Q8. 海外工場のデータをとることはできますか?
A8. タイでは実績があります。中国は難しいです。
Q9. 実際どのくらいの日程でカイゼンできますか?
A9. 3か月間に6回のコンサルティングで、稼働率が15%あがったという製造業に導入した事例もあります。
講義、ワークショップ、工場見学と盛りだくさんの内容で、受講者の皆さんからも質問がたくさん出ました。
今後も「知って、見て、実践」するイベントを企画していきたいと思います。ご要望がありましたら、下記事務局までご連絡ください。